下肢静脈瘤のコブが硬くなり赤く腫れて痛むのは血栓性静脈炎という病気です。
血栓性静脈炎とは、下肢静脈瘤の症状が悪くなった時に発生しやすい病気で、下肢静脈瘤のコブの所に血液がうっ滞して、瘤の中で血が固まってしまい、血栓が出来てしまって、そこに細菌が繁殖して炎症を起こしている状態です。
皮膚のすぐ下にある静脈に血栓ができると、皮膚の炎症や腫れや赤みが見られます。
血栓性静脈炎に1度なると治りづらく繰り返しやすいです。
下肢静脈瘤が原因なので、下肢静脈瘤を治療しなければ治りませんが、炎症が治まるまでは治療できません。
血栓性静脈瘤の炎症を治めるには
・脚を高く上げる時間を増やす
・抗生物質の内服
が効果的です。
そのため、立ち仕事の方はなかなか治りにくい状況だと言えます。
弾性ストッキングも効果ありますが、血栓性静脈炎による痛みがある為、なかなか履きにくいです。弾性ストッキングを履けるようになれば下肢静脈瘤の手術が出来ます。
診察と治癒までの流れ
初診来院時:エコー検査
↓
血栓性静脈炎あり・下肢静脈瘤あり
↓
↓※痛みが少なければすぐ手術出来ます。
痛みが強い場合は抗生剤の内服。弾性ストッキングが履けるようになるまで経過観察
↓
2回目来院時:血栓消失・発赤痒みなどその他症状改善
↓
下肢静脈瘤に対する手術を予定する。
血栓性静脈炎になると治療しづらくなってしまうので、痛みが出る前に治療することをお勧めします。
この記事の監修者
医療法人社団オリビエ会
大宮セントラルクリニック
理事長 高島 格
1960年東京都生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業後、病院の外科で20年勤務し様々な手術を経験。
中でも得意としていた日帰り手術をより多くの人に受けてもらいたいと、2007年東京都新宿区に日帰り手術専門の新宿外科クリニックを開業する。
現在は、新宿外科クリニックと埼玉県さいたま市の大宮セントラルクリニックの2院を運営し、累計手術実績は下肢静脈瘤手術で約11000件以上、鼠径ヘルニアは8600件以上に及ぶ。