
鼠径ヘルニアは鼠径部のふくらみが一番の目印。
でも、ふくらみは無いけど鼠径部が痛む、ということがあります。
このページでわかること
鼠径部の痛み =鼠径ヘルニアの前兆?
鼠径(そけい)部とは、太もものつけ根の下腹部の部分です。この部分は神経も多く通り、痛みが出やすいと言われています。
鼠径ヘルニアは、鼠径部の筋膜が弱って筋膜の外側に腸が出っ張ってしまう病気です。腸が出っ張る前、つまり筋膜が弱ってきているが、まだ腸は出ていないという状態の時に痛みが出ることがあります。
立っていたり、腹圧がかかると痛みがあり、仰向けになると痛みが取れることが多いです。”鼠径ヘルニアの前段階”と言えますが、発症には至っていない状態です。
こういった場合の多くは様子をみます。何か月かすると、ふくらみが出てきて鼠径ヘルニアになることもありますし、ふくらむこと無く自然と痛みが消えることもあります。
ふくらみが出てきた場合は、鼠径ヘルニアを疑って外科を受診しましょう。ふくらまず、痛みも引いていくのであればそのまま様子をみてかまいません。
当院の鼠径ヘルニア外来には、このような鼠径部の痛みを主訴に受診される方も多くいらっしゃいます。
診察・検査をし、ふくらみが無く痛みだけの症状である場合、当院では手術を行うことはありません。
痛みに対しては対処療法となりますので鎮痛薬を処方し様子をみていただくことが多いです。
のちにふくらみが出て鼠径ヘルニアを発症した場合は、治療法は手術しかありません。
”膨らみがあるのか無いのか”が受診の目安ってことですね!
ふくらむ人とふくらまない人 生活上の注意点
[ふくらむ人]
ふくらみが出る場合はすでにそけいヘルニアを発症していますので、お腹に力がかかる運動をしない方がいいです。
スポーツジムでのウェイトトレーニングや力仕事、腹筋などは避けましょう。痛みや違和感が無ければ、ウォーキングやストレッチ程度の軽めの運動はしても差し支えありません。
[ふくらまない人]
まだふくらんでいない人の場合は、軽い運動をした方がいいでしょう。
鼠径部の筋膜の柔軟性を高め、周辺の筋力をつけるようなストレッチや軽い体操などがおすすめです。
強い力が加わると痛みが悪化しますので、重いものを持ち上げたり、排便時に強くいきんだり、咳くしゃみが多く出たりするような、下腹部に強く力がかかることは避けるようにしましょう。
また、太ると内臓脂肪が増え、鼠径部にその重みがかかり痛みが強くなりますので、太らないように注意する必要があります。
当院在籍の1級ヨガインストラクター監修で、鼠径ヘルニア予備軍の方へ向けたヨガ動画を考案中です。乞うご期待♪
鼠径部の痛み その他の原因
鼠径部が痛む原因としては、他に以下の可能性もあります。
股関節の痛み
股関節の痛みの特徴は、股関節を動かした時に痛みが出ることです。股関節の痛みは整形外科で診察を受けると良いでしょう。
内臓の痛み
腸の痛みだと消化器内科、尿管結石などでは泌尿器科、卵巣等の痛みであると婦人科の診察になります。
痛みの原因がわからない!そんなときは
「病院は科がたくさんあって何科を受診すべきかわからない💦」
「鼠径ヘルニアかどうかはっきりしていないのに予約していいのかな?」
全然OKです👌まずはお電話ください♪
ただし、当院で診察を受けていただいても診断がつかない可能性もありえます。
また鼠径ヘルニア以外の病気であれば当院で治療をすることはできません。
ですが、病院の何科を受診すべきかといったことはお伝え出来ますので、『どこに行ったらいいのかわからない💦』と思っている受診迷子の皆さん、まずご相談ください。

ご来院のみなさまへ
新型コロナウイルス感染症への対策として、当院では毎日スタッフの体調確認および検温、院内の換気と消毒を行っております。
つきましては、ご来院予定のみなさまへも以下のお願いがございます。
・37.5℃以上の発熱、もしくは咳や息切れ、だるさや味覚・嗅覚障害等身体の異常がある場合は受診をお控えください。
・ご来院時はマスクの着用、手指の消毒をお願いたします。また、ご来院時に検温のご協力をお願いしております。
ご来院される患者様および診療に従事するスタッフの安全のため、みなさまにご理解とご協力をお願い致します。
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